人生反面教師
人の振り見て我が振り直そう

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。




  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告|
  3. トラックバック(-)|
  4. コメント(-)

POP説明文

小売業というものは、扱う商品に付けるPOPのコメントにも気を遣うものである。何故ならいい加減な事を書いてしまって、クレームになったり訴訟沙汰になったりしてもつまらないからである。
某大手小売チェーン「○○キ」では、しかし余りこの点に重きを置いていない様である。
此処で扱っている商品に付けてあるPOPの文面をちょっと見ていってみよう。


先ずは「風水サイフ」。
何色かバリエーションがあり、そのそれぞれに風水的意味が有るという文面なのだが、それがかなり断定的だ。

「類は友を呼ぶという言葉通り、お金の色である金色、黄色、オレンジ色等を持つ事でその波動が高まり、お金が寄って来易くなります」

もはや世の中の常識でイチイチ説明する必要も無し!といった前提で文章が進んでいるが、「黄色、オレンジ色がお金の色」などと、一体何を根拠に云っているものだろうか。
少なくとも伝統風水の本には、「オレンジが金の色」等と云う事は書かれていないと思うのだが、「伝統風水は本当で、コパ風水だかユミリー風水だかは嘘だ」などと決め付けるのもそれこそ根拠が無い話なのでそんな莫迦はしないが、兎も角も「オレンジがお金の色」等と云う説は凡そマイナーな話で、「初耳だ」という人も少なくないんじゃなかろうか。
何処かの聞いた事も無い新手の風水師が言った言葉でも、「風水師を名乗る人間が言ったら本当」というスタンスである様に見える主張である。
そもそも「波動」とは何だろうか?
オレンジ色の波長(スペクトル)の事だろうか。それが何故「高まる」のだろう。
そういう波長の物を持つ事によって金を呼び寄せる・・・というのではなく、その波長の物を持つからその波長が高まる???
「高い」とか「強い」とか効能を強調する様な表現を短い文面に押し込めようとしたのだが、結果巧くいかずに意味不明な文章になってしまった様だ。
兎に角、風水解説書や風水アイテム屋さんなら、効能表記にそんな断定的表現を用いても、客の方も解ってて来るんだからいいかも知れないし、実際そうした表現をしているものも有るんだろうが、仮に謳う程の効能が見られなくとも、何らかの違反広告表現でつっつかれる覚悟があってやっているんなら構うまい。しかし仮にも罪の無い何千人もの従業員を雇用するホームセンターもどきの店がそんな表現をして、後が心配じゃないのだろうか。


其の弐、「パワーバランス」
今でも「パワーバランス」で検索すれば、それがどんな物かヒットするだろうし、公式サイトも存在する。記憶では2010年に流行った物だ。
○○キでもブレスレット・タイプの物を扱っていて、この会社のネット・ショップでも販売していた。
当時の公式サイトでは、パワーバランスを、
「ホログラムシートが内蔵されています」
という事しか書かれておらず、あとは、「この商品を付けた状態で次の様な体勢をとってみてくれ」と、バランスを要する様な姿勢を示した絵が描かれているだけで、暗に「パワーバランスを着けた状態でこの様な姿勢をとってみてくれ。効果があるだろう?」と言いたいだけのサイト内容であり、別段ホログラムシートに超自然的パワーが入っているだとか、亦は偽似科学っぽい説明が為されているといったことも無かった。
ところが公式サイト以外にこの商品(本物か偽物か不明)を扱う当時のサイトでは、何故かこの商品の説明に、
「体内イオンの電解バランスを維持する」だとか、「最適な周波数でエネルギーが円滑に流れるようにその回路を安定させる」だとか、「体が本来知っている、磁気バランス・テクノロジーを整える」とかいった公式サイトで説明されていなかった様な言葉が並び、結果、
「瞬発力が増大され、スタミナ増強を実現。さらに柔軟性の向上や集中力アップを促す働きをする」
等と、違反広告の基準に引っ掛かるんではないかという様な効能表記をする所が多かった。
で、こっからが問題だが、○○キのネット・ショップでの当該商品の説明が、「パワーバランス公式サイト」の文面ではなく、他の偽似科学風の説明をするサイトの説明文を拝借していたのだ。
もうこの会社のネット・ショップでは扱っていないから、今から探してみても検証の仕様がないが、調べもせずにそういう文面を拝借してしまうテキトーさもウリなのか。
因みにこの会社で売られていたパワーバランスは、公式サイトでは何千円もするのに999円で売られていて、ホログラムシートも本家サイトが言う様な「医療用にも使われるシリコン素材が内臓され」てはおらず、単なる銀紙のシールが表面に貼ってあるだけのものだった。本物かどうかは私は知らん。


其の参、「塩まくら」
○○キの塩まくらコーナーに付いているPOPには、

「東洋医学では、高血圧の人は頭寒足熱とは反対の状態。つまり頭が熱くて足が寒くなっていると考える。
首に塩まくらを当てる事で頭部の血行が促進され、神経の動きが正常になるわけです。
の状態から、頭寒足熱の状態に戻してあげる事で頭のうっ血状態が解消され、血圧が正常になり、頭痛や不眠症などの症状が改善される。
塩まくらを使う事で脳の血流が促進される為、脳細胞が活性化し、全身の老化やボケの防止に役立つ」

といった内容の事が書かれていた。
因みにこれらの説明文は、お店の中のまくらコーナーのPOPには書かれているが、同社のネット・ショップの商品紹介文には載せていない。何か不都合があるのだろうか。
本題に入ろう。
「首に塩まくらを当てる事で頭部の血行が促進される」
という部分、当たり前の様に説明を飛ばして書かれているが、信用してしまっていいものなのだろうか?
先ず「塩まくら」と云うものがどういうものかをパッケージの表面からシゲシゲ見てみると、不織布の中に塩を詰め込んだだけの代物の様である。
これを直接首の皮膚に当てる事によって、生地の隙間から塩が人体に作用するという物なのだろう。塩が皮膚に触れねば話ははじまらんだろうから、生地の隙間から塩が漏れるという事なのか?それともイオンがどうとかいう化け学的効果が、皮膚と塩との空間を通して作用するといったメカニズムなのだろうか?

さて、塩が皮膚に作用するといえば先ず思い浮かぶのが浸透圧だ。
浸透圧とは半透膜の向こうとコッチに濃度の違う液体を用意すると、濃度の高い方に液体が移動するというものだが、人間の皮膚は半透膜ではないので、そう簡単には液体の移動は起こらないらしい。
だが塩の濃度が高いとそれも起こるらしいので(江戸時代の遺体検分の際、検分用に遺体を塩漬けにした場合、人体から液体が流れ出るという記述がある。生体では塩が細胞内に侵入しても排出する事が出来るが、死んだ細胞では塩は入りっぱなしとなる)、首から塩まくらに人間の体液が移動するという事なのだろうか。
だとすると首周辺の水分は減っていき、「血行の促進」とは逆の効果が現れそうな気もする。
逆に細胞に塩が侵入する事もあるらしいが、首周辺の多量の毛細管を含めた血管の中の塩分濃度が高まるから「脳にいい」というのだろうか?しかし血中の塩分濃度が高まると、濃度を抑えようとして体内の水分は血管に集まり、血管の圧力は高まる。それが塩分の摂り過ぎによる高血圧なのだが、これでは上の説明文の「血圧が正常になる」とは逆の症状が起こっている事になる。
更に、そうして血管中の血液の量が増えると脳の血流量は高まるだろうが、一般に頭痛というのは血流がいい時に起こるものらしい(脳神経外科の医師・談)ので、これまた「頭痛が解消される」という説明文が怪しくなる。

結局塩まくらの塩分が、首の皮膚を通して水分を奪い取ってしまうのか、逆に経皮摂取されるのかが不明なのでメカニズムが判らないが、もうちょっと詳しく説明して欲しいものである。「塩が首に触れるから血流がよくなります」では信用の仕様が無い。
ついでに「脳の活性化」と「全身の老化防止」の因果関係についての言及も欲しいところである。飽く迄「脳の老化防止」ではなく「全身の老化防止」に効果が有ると言っている所がミソである。

ちなみにこの商品には、「使用したら一年ごとに交換する事をお奨めします」と書いてある。
塩だから水分を吸ったり、元の状態を維持出来ないからという意味なのだろうが、もう一度使い方を考えてみるに、首乃至後頭部にこの塩の部分が接していないと意味が無い筈であるから、当然まくらカヴァーやまくらパッドを使用してしまってはダメだ。すると、直に塩まくらと接して毎日寝るわけである。
普通のまくらだって、三日も、百歩譲って一週間も使用すれば汚れてしまう筈である。それが厭だからカヴァーやパッドを使用する。
塩まくらの塩を覆っているのは不織布だ。そんな物は洗えない。洗えないから使い続けるが、首や頭部の汚れが付くのは勿論の事、毎晩汗は元より、よだれを吸った塩が一年後どうなっているかは想像もしたくない。

ところで、ネットで「塩まくら」を検索してみると、塩まくらの冷却作用に就いて述べているものが目に付く。
中でも
「塩まくらは温度追従性が低い(頭の熱が塩に伝わりにくい)」
という文章が大量にヒットする。
「追従性」とはどうも技術系の用語らしいのだが、「温度追従性とは」を検索してみても、辞書の様に解説している記事には出会さない。併し「温度追従性」という言葉を用いた技術系の文章を読んでみると、ほぼ文字通りの「追従」の意味と捉えて左程間違いは無かろうと思われる。
結局、「塩は温度追従性が低い」イコール「塩には熱が伝導し難い」という意味かどうかは不明なのだが、この表現を用いているサイトの文章を読み進めると、
「つまり、頭の熱が塩枕には伝わりにくく塩の冷たさが長く保たれる」
と書いてある。
このサイトでは最初に挙げた○○キのPOP同様、サイトの冒頭でしきりに「頭寒足熱」をアピールしているが、では、
「頭の熱で塩が温まらないから塩の温度がいつまでも低く、頭寒足熱を実現する」
と言いたいのかというと、その実文章に「塩の温度追従性の低さ」と「頭寒効果」の間に直接的な因果関係は持たせていないのである。
考えてみればおかしな話だからであろう。
頭の熱が塩に伝わらないのなら、頭の熱は塩まくらと接している頭の一部分との間で逃げ場を失う筈である。逃げ場を失った熱は、結局塩に反射されて頭を暖めるだろう。
皮膚に水がかかって冷たいのは、水が体温を奪った結果、水の温度が上昇するからである。
水が冷たい、風が涼しいと感じるなら、体の熱は水や空気に移っていくのである。
「冷感ジェル」などというものは、熱を体から奪う前も後もジェル状に違いは無いが、恐らく放熱が早いだとか、そういう性質なのだろう。ジェルに体温は伝導するのだ。体温を奪われるから冷たく感じる。ところが塩には頭の熱が伝わりにくいという。
そりゃ熱を吸収しなければ、塩自体の温度は上がらないだろう。しかし其処に接している頭は、熱を吸収してもらえないから熱いままの筈だ。
エマージェンシーブランケットというものがある。アルミ製の薄いブランケットだが、アルミ製、つまり金属だから冷たいかというと、その名の通り非常事態に使用するブランケットで、羽織れば体温(熱)を逃がさずに内側に反射し、体温を保持する為の代物だ。件のサイトの言い方だと、塩まくらはエマージェンシーブランケットと同じ様な効果を発揮するんではなかろうか。
スポンサーサイト




  1. 2011/04/25(月) 00:15:18|
  2. 未分類|
  3. トラックバック(-)|
  4. コメント(-)
 

  

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。